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福岡100ラボmeet up! 第13回『食を起点に、働き世代の健康課題を解決する仲間を探そう!!』イベントレポート

更新日: 2026/10/28

「福岡100ラボ」は、人生100年時代に向けた未来のまちづくりプロジェクト「福岡100」を産学官民オール福岡で推進していくための共創の場です。近年、食生活の重要性が高まる一方、働き世代では「時間がない」「手間がかかる」といった理由から、食生活の乱れが課題となっています。そこで第13回となる「福岡100ラボmeet up!」では、働き世代の健康づくり、特に「栄養改善」に焦点を当て、企業における先進的な取組みや、食生活の改善を支援するサービスについて、意見交換を行いました。 





〈登壇者一覧〉 
・九州経済産業局 地域経済部 製造産業課 ヘルスケア・バイオ産業室 ヘルスケア産業係長 有馬 詩織 氏 
・eatas株式会社 代表取締役 / 管理栄養士 手嶋 英津子 氏 
・株式会社やまやコミュニケーションズ ウェルビーイング事業室 室長 穴田 美樹 氏 
・株式会社AI Impulse 代表取締役CEO 水谷 晃大 氏  





〈目次〉
社員の健康が企業の未来をつくる
健康経営が人材採用のカギになる
食への取り組みが健康経営の入り口に
個人の食生活はブラックボックス化している
現状を把握し、行動変容につなげる
トップダウンで取り組みを進めることが重要 
デジタル技術も活用し、まずは小さな一歩から 









社員の健康が企業の未来をつくる









九州経済産業局 (以下 有馬):本日は経済産業省の立場から、健康経営と食の取組みについてお話しします。まず、健康経営という概念は、10年以上前から経済産業省が主導し、普及啓発を進めている概念です。今後人口が減少していくと、生産年齢人口も減っていきます。そこで、できるだけ平均寿命と健康寿命の乖離をできるだけ縮小するため、経済産業省でも健康寿命の延伸を重要な目標の1つとして掲げています。









そして、経済産業省の最大のミッションは、企業の経済活動を活発化させることによって、日本経済全体の活性化を図り、国民1人ひとりの所得、国富を増大させることです。高齢化で医療費や介護費用の負担が増えていますが、逆にそこをビジネスチャンスと捉え、健康・医療介護関連のサービス振興なども進めています。





そういった背景から、経済産業省では、ヘルスケア政策の進め方として大きく6つの柱を立てています。その1つにあたるのが健康経営の推進です。 









健康や医療、介護というと、厚生労働省の名前が浮かぶかと思います。しかし、今や日本は世界で最も高齢化している国ですので、縦割りなどと言ってはいられない状況です。





そこで、厚生労働省と連携し、予防、医療、介護の分野で、経済産業省も優れたサービスや機器の創出や支援をさせていただいております。特に予防・健康づくりについては、健康経営の推進を経済産業省が中心となって進めているところです。 









健康経営の定義は、従業員の健康保持・増進の取り組みが、将来的に収益性を高める投資であると考え、健康管理を経営的視点から戦略的に実践することです。社員のみなさまに健康に働いていただくことが、最終的には企業全体の生産性向上や企業価値向上につながるということです。









実際に、従業員への健康施策の実施や福利厚生への投資が会社の利益向上に繋がるという研究結果も出ており、健康であることと、会社全体の業績や生産性は深く関係しています。









こういった健康経営の概念を推進していくために、経済産業省では2016年に全国版の顕彰制度となる「健康経営優良法人認定制度」を設けています。また、さまざまな企業の取組み事例集や調査結果を「ACTION!健康経営」という公式ウェブサイトにまとめて掲載していますので、ぜひ参考にご覧ください。









健康経営が人材採用のカギになる





有馬:健康経営に取り組むと、労働市場においても優位に働くという利点があります。









就職先の決め手についてアンケートをとったところ、なんと60.4%の方がその企業が「健康経営に取り組んでいるか」を最も重視すると回答しました。実際、中小企業や小規模事業者に健康経営に取り組む理由を聞くと「人材採用・リクルートのため」と答える方が多く、みなさんその効果を実感されているようです。  









それだけ、働いている我々世代だけではなく、これから働こうとされている学生や若い世代にとっても、会社が社員を大切にしているか、健康を重視しているかという点が大事なポイントになることがわかります。そのため、ハローワークの求人サイトなどでも認定情報が見られるようになっております。  









また、離職率に関しても、健康経営に取り組んでいる企業は他と比較してかなり低いというデータが出ております。









そこで国においても、日本政策金融公庫と連携した税制優遇の措置や、補助金の加点制度などのインセンティブを設けております。 













食への取り組みが健康経営の入り口に 





有馬:本日の大事なテーマは「食」です。健康の三大要素は運動・睡眠・食ですので、食というところは我々としても外せない取り組みだと考えております。先ほどご紹介させていただきました「健康経営優良法人制度」では、評価項目の1つに「食生活の改善に向けた取り組み」が入っております。 









申請書はアンケート形式になっており、健康に関する取り組みについてチェックを付け、所定の認定要件を満たせば健康経営優良法人として認定され、上位法人には「ホワイト」や「ブライト」などの冠が付与されます。食に関する設問は、健康経営優良法人2026ですとこうした項目になっております。 









枠組みとして「従業員参加」と「環境整備」に分かれており、従業員参加型ですと、例えばアプリの提供や、管理栄養士による個別指導を実施しているかなどを確認しています。一方、環境整備型ですと、社員食堂を設置しているか、自動販売機などを活用して健康に配慮した食品を提供しているかといった項目が設けられています。





アンケートの項目は非常に多く、中小企業部門ですと58問ほどありますが、経済産業省では毎年、全企業の回答結果をエクセル形式で公開しています。そのデータをまとめると、「食生活の改善に向けた取り組みを行っていますか?」という質問に対し、取り組みを実施しているにチェックをつけた企業は95.4%と、ほとんどの事業者が取り組んでいるという結果が出ました。業種別にみると、取り組みを実施している企業の割合は、食品関連企業は3位で、電子機器・機械・精密・輸送用機器や、金融などの業種が上位でした。 









さらに項目を細かく見ますと、従業員参加型で特に多かったのがアプリの提供や健康記録等のサポートなど、システムやツールを提供するという取り組みです。環境整備型では、社員食堂や仕出し弁当など、現物支給や金銭補助を通じて、健康に配慮した職場環境を提供している取り組みが多いという結果が出ました。









我々経済産業省としましても、社員の健康に配慮する上で、とっかかりとして取り組みやすいのはやはり食事の改善だと思います。特に若者や働き世代の方だと、なかなか運動する時間をとるのが難しかったり、土日のプライベートの時間を割いて会社のイベントに参加するのはハードルが高いと感じる傾向があります。しかし提供された野菜を食べるとか、社員食堂の弁当を買ってみるといったことは、日常生活の延長で取り組みやすいものです。健康に取り組む1つの手段として、食は非常に重要だということを、本日お越しいただいたみなさまにもご認識いただけると幸いです。





個人の食生活はブラックボックス化している









eatas株式会社 手嶋(以下 手嶋):私からは、実際に弊社の健康経営でサポートさせていただいた事例や、食の役割についてお話しさせていただきます。弊社は2021年に設立し、管理栄養士によるパーソナル栄養指導の提供や、栄養指導専用アプリとシステムの開発を行っております。また管理栄養士のコミュニティも運営しており、現在500名以上の管理栄養士が弊社のコミュニティに登録しています。





私は福岡市の中村学園大学を卒業後、同大学で助手を務めながら、管理栄養士を目指す学生の教育や、大学附属の肥満クリニックで肥満・生活習慣病の方への食生活支援、研究に携わってきました。その中で特に感じたのが、食生活を改善する上で「どう行動変容につなげるか」という難しさです。そこで大学院に進学し、食行動の研究を行ってきました。さらに、その研究成果をアプリ上の利用体験に落とし込み、実際の行動変容につなげるアプリも開発しました。こうした取組みが評価され、Apple社から、管理栄養士として唯一「Apple Distinguished Educator」にも選出されています。こうした経験から、テクノロジーを活用して食行動をどう変えていくかということを強みに、自身の会社を立ち上げました。





弊社のビジョンは、「『楽しく、おいしく食べる』ことで健康になることを当たり前にするセカイを。」です。例えば、ダイエットをしたいと思っても、適切な情報が得られずに食事を我慢したり、体を壊してしまったりする方を多く見てきました。しかし、自分に合った食べ方を知れば、好きな食事を楽しみながら健康を実現できます。そこで、パーソナルなサービスだけでなく、クリニックや企業に対しても管理栄養士による食事サポートを提供しています。 





今、医療費の増大が社会課題となっています。肥満や生活習慣病に関わる医療費は15兆円規模で、医療費全体の3割を占めています。その改善において食事は非常に大きな要素ですが、根本的な解決につながる一方で、実際には後回しにされやすく、継続も難しいという現状があります。 









本日のテーマである健康経営においても、食事は結局、個人任せになっています。企業からは、社員が何を食べているのかが見えにくく、いわばブラックボックス化しているんです。そのため、そもそもどんな課題があるのか、何が足りていないのかがわからないまま施策を行わなければならないという難しさがあります。









先日、国策として「攻めの予防医療」がキーワードに挙がりました。「骨太の方針2026」の中で重点6領域が示され、その筆頭が「栄養・食生活の具体的施策」です。









予防医療において、栄養と食生活は欠かせない領域です。また、中小企業における健康経営も重要なテーマとして挙げられており、食の領域はますます注目されていくと思います。これまで取り組んできた企業にとっては次の一歩となりますし、まだ取り組んでいない企業にとっても今後取組みが進んでいく領域なのではないでしょうか。





しかし現在、アプリの提供などは比較的多く行われていますが、管理栄養士による個別指導や栄養相談窓口の設置は、まだ少ないのが現状です。また、参加型のイベントを実施しても、参加率が50%未満の企業が半数程度あるなど、施策に参加してもらうこと自体が難しいというデータもあります。 













現状を把握し、行動変容につなげる





手嶋:そこで私たちが大切にしているのが「現状を把握する」ということです。これまで弊社では、主に伴走型のパーソナル栄養指導を行ってきました。ただ、それだけでは多くの社員に対応することが難しいため、まず個人の食生活がブラックボックス化している状態を解消し、現状を把握するようにしています。そこから課題が特定できれば、「何のために取り組むのか」という目的が明確になります。





ステップとしては、最初に食生活を簡易診断し、1人ひとりにフィードバックするとともに、会社としてどのような課題があるのかを把握します。社員自身が自分の食生活の課題を知り、自分事として捉えることが、行動変容のスタートになります。何かを提供するだけではなく、「なぜ参加するのか」「どう変わるのか」を知ってもらうことが大切です。また、食の悩みは人によってそれぞれ異なるため、いつでも相談できる窓口を設置しています。





さらに具体的な支援として、伴走型のパーソナル栄養指導があります。これは全社員が対象というよりは、例えば「今年は肥満を改善したい」という企業に対して、特定の社員に向けて実施するような取り組みです。そのほか、栄養セミナーやイベントなども実施しています。





実際の伴走サポートの事例としては、三井不動産と連携して「&well」という健康経営支援サービスの中で、食生活改善を担当させていただきました。これまで食生活改善に取り組んでいなかった企業を対象に、オンライン面談や個別のチャットサポートも含め、100名規模で1か月間実施しました。









成果としては、99%の方が継続して参加され、そのうちの97.8%が効果を実感したと回答しました。また、プログラムの満足度、管理栄養士への満足度も非常に高い結果となりました。









本来であれば伴走期間は3か月程度ほしいところですが、1か月間でも食事の変化がしっかりと見られ、体重にも変化が表れました。













このように、現状の課題を把握した上で伴走型の支援を行えば、具体的な行動変容や成果につながげることができます。参加者からは「習慣化できた」「実践しやすかった」「個別に対応してもらえた」といった声をいただき、導入企業からも「習慣化につながる継続支援」という点で評価いただき、「習慣化」が大事なキーワードになっています。













なお、こうした現状の把握においては、この後ご登壇いただくAI Impulseさんと、AIを活用した食生活診断を検討しております。詳しくは、後ほどご説明させていただければと思います。





トップダウンで取り組みを進めることが重要 









モデレーター:今回のテーマは「食と健康経営」というところで、前半は有馬さんと手嶋さんから示唆的な部分や取り組むポイントについてお話しいただきました。本日ご参加されているみなさまからも、事前のアンケートの中で「何から始めたらいいかわからない」「どういう風に取り組めばいいのか知りたい」などの声をいただいております。後半のパネルディスカッションでは、明日から何か1つでも取り組みを始めるためのヒントを持ち帰っていただけたらと思っております。ではここからご登壇いただく穴田さんと水谷さん、自己紹介をお願いいたします。





株式会社やまやコミュニケーションズ 穴田(以下 穴田):明太子の製造販売をしている、やまやコミュニケーションズの穴田です。弊社は食品企業ですので、食に強みを持っております。私はウェルビーイング事業室の室長として、福利厚生施策や健康経営の社内推進、生命保険を活用した社外導入支援事業を行っています。





モデレーター:やまやさんは、2022年から5年連続で健康経営優良法人の認定を受けていらっしゃいます。健康経営の実践企業の立場として、穴田さんに現場のリアルをお聞きしながら、お三方にそれぞれの視点でアドバイスをいただきたいと思います。取り組みの中で悩まれていること、あるいはここがポイントだなと感じる部分はありますか? 





穴田:弊社の健康経営の取り組みとしては、まず、社員に運動習慣をつけてもらうため、社内にジムを設置しています。また、社内の2階にはレストランがあり、お客さまもご利用いただけますし、社員食堂としても運用しています。













さらに、弊社では農業にも取り組んでおりますので、九州名産のおいしい食材の社内販売や、朝倉の自社農園でイチゴ狩りを実施しています。こちらもレストラン同様、お客さまも社員も両方参加できます。









このように、イベントや環境づくりなどは数多く実施しているのですが、どちらかというと「食を楽しむ」方に重点を置いているのかなという印象があります。それが健康とうまくつながっているかに関しては、今後会社としてしっかり考えていかなければいけないと思っております。





手嶋:やまやさんの取組みは多岐に渡っていますが、その1つひとつが点になってしまっているのだと思います。やはりまずは、どういった課題があるのかを把握することが重要です。楽しく、美味しくという観点も大切ですが、例えば血圧が高い社員が多ければ、社員食堂でそれに合わせたメニューを提供する、イチゴ狩りを起点に健康セミナーを実施するなど、工夫の余地はあると思います。









やまやさんはすでに多くのお取り組みを実施されており、あとは整理するだけという状況ですが、何から取り組んでいいかわからず、ゼロからのスタートという企業も少なくないと思います。その場合には、例えば朝ごはんとしてオフィスで食べられるバナナを配布するなど、簡単な取組みから始めることが第一歩になるかなと思います。ただ、バナナを食べればいいということではなく、普段朝ごはんを食べない人が最初の一歩としてバナナを食べ、そこから牛乳を足してみるなど、自分の健康行動を広げていく入り口を設置することが大切だと思います。





有馬:企業価値や生産性を高めるためにも、社員の健康は重要な要素であり、その中に食は必ず含まれてきます。私が先程提示したデータでは取り組んでいる企業が多いように見えますが、実態としてはまだまだ進んでいないところが多い状況です。実践企業であっても、例えば社員食堂のメニューにサラダを添えるといった程度の内容にとどまっている場合もあります。そこを踏まえて、健康経営に取り組んでいただく際に重視すべきなのが、現場で動く社員だけではなく、なぜ食に取り組んでいるのかを会社全体で理解するということです。やまやさんもさまざまなお取り組みを進めていらっしゃいますが、なぜこうしたことをしているのかを、まずは全部署にしっかり認識いただくことが大事なのかなと思います。 









我々が健康経営を普及・推進する際にポイントとしてお伝えしているのが、まずはトップダウンでやっていただくことです。食の取り組みが重要だということを経営層に認識していただき、社員から質問が上がった際に答えられるようにしておくこと。担当者レベルの権限で進めるのではなく、組織として「我々は健康になるんだ」というメッセージを発信することが大切です。やまやさんは食品企業ですので、社内には食で健康になることに関心の高い方が多いと思います。まずはしっかりと経営層から情報発信を行い、社員に食や健康の大切さを伝えることが重要です。 





デジタル技術も活用し、まずは小さな一歩から 





モデレーター:社員に押し付けるのではなく、自然と次の行動を促すためには、どんな環境づくりを行えばいいでしょうか?





手嶋:有馬さんも話されたように、「なぜやっているのか」という点がもっとも重要だと思います。先程、予防医療のお話をした際、キーワードとして「自分事化」を挙げましたが、やはり自分事にならないと、ただの押し付けになってしまうんですよね。例えばバナナの話も、「なぜこのバナナを食べるのか」ということを、まずは自分自身が腹落ちすることが大切だと思います。そのためには、自分の課題が何なのかに気づくこと。普段朝ご飯食べない人が、配布されたバナナを食べて体調がよくなったとします。その変化に気づくと、「次はバナナじゃなくておにぎりを食べてみよう」と、自分で行動を変えていくようになります。放っておいても行動変容は起こらず、継続性もありません。社員が自身の課題や変化に気づくような仕掛けを、企業側が意図的につくる必要があると思います。 





モデレーター:eatasさんはAI Impulseさんと連携しているということでしたが、AIも行動変容を促す一助になるでしょうか? 





水谷:AIとの対話では、やり取りを重ねる中で自己開示が促される傾向を示すデータもあります。実際に、3回ほどのやり取りで自己開示が高まってくるというデータも出ています。健康について誰かに相談することに対して、少しハードルが高いと感じる方もいると思います。そこで、まずはAIに相談し、そこから必要な支援につなげていくといったプロセスをうまく設計・運用していくことが重要だと思っています。eatasさんとの取組みでは、弊社のAIが簡単なヒアリングを行い、自分の課題は何なのかを可視化した上で、必要に応じて管理栄養士の方々がサポートするという仕組みを取り入れております。









手嶋:AIライバーというキャラクターが質問に応対するため、若い世代を取り込みやすいですし、アンケート用紙に答える体験とは違う面白さがあるため、やってみようと思えるきっかけにもなると考え、今回AI Impulseさんと組ませていただきました。実は食事ってすごくプライベートなことで、答えにくい部分が多いんですよね。それがAIだと答えやすくなる。弊社としても初めての取り組みですが、これまでのアンケート形式や看護師による直接のヒアリングとは違ったデータが取れるのではないかと期待しています。













モデレーター:こういった取り組みは全国的にも珍しい事例なのでしょうか。 





有馬:AIライバーを使った方法は初めて伺いました。ただ、今、医療や介護の分野は産業として活性化していますので、健康に着目したデジタルサービスもさまざまなものが出てきています。例えば、ヘルスケア関連の産業を所管する九州ヘルスケア産業推進協議会では「ヘルスケア産業づくり貢献大賞」という表彰制度を設けており、eatasさんをはじめ、AIやICTを活用したサービスの受賞が増えています。いろいろな技術が世に出てくるほど技術革新も活発になり、我々の使いやすさも向上していきますので、こうしたデジタル技術を活用したヘルスケアサービスの開発や普及が、さらに活発になればよいと思っています。 





モデレーター:では最後に、これから食の取り組みを始められる企業に向けてアドバイスをお願いいたします。





水谷:社員の方々が継続的に取り組みやすく、単発で終わらない仕組みをどう構築するかが重要です。そのためにも、生成AIやICTツールなどを活用しながら、さまざまな施策を組み合わせて、総合的に進めていくことが大切だと思います。





穴田:会社は社員が長い時間を過ごす場所です。だからこそ、その中で社員の健康を支援し、社員自身にも健康を意識してもらえる環境をつくることは、大きな意義があると思います。社員の健康を守ることは、仕事へのやりがいや、安心して働ける環境にもつながっていきます。そのためにはまず、それぞれの会社が大切にしている考え方の中に、食や健康への取り組みをうまく位置づけることが重要だと思います。そして、その意義をトップからしっかりと発信し、社員が理解した上で、会社全体で取り組んでいくことが大切だと感じました。









有馬:本日のような場を通して、たとえ小さな取り組みであっても、できるだけ多くの人に情報を発信・共有していくことが大切だと思います。同じような課題に悩んでいる企業は、全国にたくさんあります。そうした企業同士が横につながり、情報を共有することで、「こんな小さなアクションでも食の改善につながるんだ」という気づきを得られれば、また次の新たな取り組みへとつながっていくのではないでしょうか。





手嶋:行動変容の基本として「スモールステップ」という考え方がありますが、食の取り組みを始める際にも、大きなことをしようとするのではなく、まず会社の中でできる小さな一歩は何なのかを考えることがポイントだと思います。また、実はすでに何か取り組んでいるのに、それに企業自身が気づいていないというケースもあるはずです。本日のテーマは「食を起点に、働き世代の健康課題を解決する仲間を探そう!!」ですので、ぜひ私もその仲間に入れていただいて、今後いろいろとディスカッションさせていただければ嬉しいです。





〈登壇者プロフィール 〉






有馬 詩織 / 九州経済産業局 地域経済部 製造産業課 ヘルスケア・バイオ産業室 ヘルスケア産業係長
2年間の経済産業省勤務を経て、2024年に九州経済産業局 地域経済部 製造産業課 ヘルスケア・バイオ産業室へ異動。健康経営の普及啓発に取り組む。 






手嶋 英津子 / eatas株式会社 代表取締役 / 管理栄養士 
中村学園大学大学院栄養科学研究科博士前期課程修了。大学助手、企業の管理栄養士を経て、2015年より大学講師として勤務し、全国初授業用食育アプリを開発。アプリを活用した教育実践が評価されApple社から管理栄養士で唯一のApple Distinguished Educatorに選出される。2021年3月にeatas株式会社を設立し、パーソナル栄養指導用プラットフォームを開発。管理栄養士のコミュニティを運営しており、全国で500名以上の管理栄養士が所属。健康経営アドバイザー、一般社団法人ダイエットカウンセリング協会顧問、AGE研究協会認定講師、「数字でわかる老けない食事 AGEデータブック」監修、講談社マネー現代、フライデー等記事掲載、コンビニを活用したビジネスマン向けの栄養講座など講演実績多数。  






穴田 美樹 / 株式会社やまやコミュニケーションズ ウェルビーイング事業室 室長
2013年、株式会社やまやコミュニケーションズ入社。労務・法務業務を経て、2023年にウェルビーイング事業室を立ち上げる。経営および社員の“ウェルビーイング”に貢献しようと、福利厚生施策や健康経営の社内推進、生命保険を活用した社外導入支援事業を行う。






水谷 晃大 / 株式会社AI Impulse 代表取締役CEO 
大阪大学大学院理学研究科修了後、国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)客員研究員、富士通、リクルート、Ridgelinezを経て、株式会社AI Impulseを創業。現在は、AI面接、AI説明会、AI電話、AIチャットなど、採用・人事領域に特化したAIソリューションを展開し、企業の採用活動における工数削減と候補者体験の向上を支援している。 


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