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福岡100ラボmeetup! 第3回『「企業の力で人生100年時代の社会」へアップデート!』イベントレポート
掲載日: 2024/01/30

人生100年時代に向けた未来のまちづくりプロジェクト「福岡100」に関心のある企業や行政、関連団体のために設けられた交流の場「福岡100ラボmeetup!」。第3回では新たに開始した「福岡100ラボ テーマ型公募」の説明会を実施し、各テーマにかける思いや求めるソリューションについて意見交換が行われました。









 


福岡100ラボ テーマ型公募とは


https://f-100lab.jp/infomation/1157/


〈登壇者一覧〉
テーマ1:介護人材のウェルビーイング向上にむけた仕組み・取組み
・熊本学園大学 社会福祉学部 教授 黒木 邦弘 氏
・社会福祉法人 敬愛園 法人本部 横尾 和暁 氏
・福岡市 福祉局 高齢社会部 高齢社会政策課長 福留 裕一 氏
テーマ2:外出困難な重度障がい者等の就労や社会参加の実現
・福岡市 福祉局 障がい者部 障がい企画課長 西依 正博 氏
・福岡市 教育委員会 発達教育センター所長 松本 学 氏
モデレーター
・福岡100ラボ事務局(福岡地域戦略推進協議会) 片田江 由佳


(目次)
介護職の魅力を発信し、やりがいを実感してもらう
介護の本質を表す3つの「SOU」
SNSの一歩先を行く応援コンテンツを
重度障がい者の就労の難しさを知ってほしい
アイデアと技術が障がい者の可能性を広げる



テーマ1:介護人材のウェルビーイング向上にむけた仕組み・取組み





介護職の魅力を発信し、やりがいを実感してもらう


モデレーター 片田江(以下 片田江):官民が共同で取り組むべきテーマに対してソリューションを公募する「福岡100ラボ テーマ型公募」。今回は保健福祉分野の社会課題をもとに2つのテーマを設定し、先進的なアイデアや先端技術を活用した事業の提案を募集しています。まず1つ目のテーマである「介護人材のウェルビーイング向上にむけた仕組み・取組」について、課題の背景や募集の意図を教えてください。


モデレーター 片田江(以下 片田江):官民が共同で取り組むべきテーマに対してソリューションを公募する「福岡100ラボ テーマ型公募」。今回は保健福祉分野の社会課題をもとに2つのテーマを設定し、先進的なアイデアや先端技術を活用した事業の提案を募集しています。まず1つ目のテーマである「介護人材のウェルビーイング向上にむけた仕組み・取組」について、課題の背景や募集の意図を教えてください。


福岡市 高齢社会部 福留(以下 福留):今回のテーマ設定には、高齢化の進行と介護人材の不足が背景にあります。福岡市では現在5人に1人が65歳以上の高齢者で、団塊ジュニア世代が65歳以上になる2040年には3人に1人が高齢者になると言われています。全国の介護職員の必要数は2023年度が約233万人で、2040年度には約280万人と推計されていますが、一方で介護職員の有効求人倍率は約3倍と全産業平均よりも高く、自宅に訪問して介助を行うホームヘルパーにいたっては15倍以上です。



この課題を解決するために、福岡市では、参入促進、労働環境・処遇の改善、資質の向上の3つを軸にさまざまな事業を行っています。さらに基盤を強化するため、新たに着目したのが「ウェルビーイング」です。身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念で、人々の満足度や充実、幸せなどを表す言葉ですが、このウェルビーイングを業界全体で向上させることが重要だと考えました。介護職は私たちの生活と密接に関わっている職業ですが、仕事の中身は意外と知られていません。介護職の魅力を広く発信して、より多くの人に興味を持っていただき、職員さんを応援できるような仕組みがあれば、今働いている人にとっても、これから働く人にとっても、いい循環が生まれるのではないかと思っています。今回採用された提案については、社会実験の実施からソリューションの展開まで福岡市が一体的に支援しますので、ぜひパートナーとしてお力添えをお願いします。



敬愛園 横尾(以下 横尾):私は今でこそ事務職ですが、福祉業界に約20年おりまして、もともとは介護職に就いていました。現場の視点から今回のテーマについてお話しさせていただくと、介護職員さんはすごい技術や知識をお持ちで、素晴らしい取り組みをされているのに、本人たちがそのすごさに気づいていないことが多いんですね。なぜかと言いますと、各施設で行われている取り組みが内々での共有にとどまっているからなんです。そこで企業のみなさんにご協力いただき、取り組みの事例などを外部に発信することで、実際に働いている職員さんが自分たちの仕事に確かな魅力ややりがいを感じられたらいいなと思っています。



また評価制度の見直しも必要だと考えています。介護の現場には介護職だけでなく看護職やリハビリ職、事務職などさまざまな仕事があり、介護職にフォーカスした人事考課制度があまり整っていないという現状があります。かつ、例えば営業職であれば売り上げなどの目に見えてわかる数字がありますが、介護の仕事は数字で表すことがなかなか難しい。そこを細かく数値化できれば、自分の技術のどこが足りていないかを知ることができますし、これから何を伸ばしていけばいいかの指標にもなります。そんな職員さんのやる気や成長につながるようなソリューションを提供していただけたら嬉しいですね。


熊本学園大学 黒木(以下 黒木):私たち3人は「福祉人財共働ワーキング*」のメンバーとして、人生100年時代の福岡を支える介護・福祉人材の確保について議論を重ねてきました。介護従事者に課された使命は、福留さんも話されたウェルビーイング、すなわち多様な個人の幸福を支えることです。これは同時に、誰にとっても生きやすい社会の幸福を追求することにつながります。社会はどんな形であれ確実に変化していくものです。その変化を可能性と捉え、新たな価値を創造していくことが重要です。福岡市の介護技術は業界の中でも注目されており、非常に高い実践力を持っています。職員の方々が日々取り組まれていることはまさに実践知であり、やりがいの宝庫でもある。そこをどんどん発信していきたいと思っています。


*福祉人材確保に取り組む多様な関係機関による人材確保の課題、目標の共通理解促進や、人材ターゲット層ごとの戦略・取組を共働で検討する会議であり、介護関係団体を中心に国・県・市の官公庁等の約30団体からなるグループ。




介護の本質を表す3つの「SOU」


黒木:今回の公募は先端技術を活用したソリューションということで、これまでもICTやAIなどの技術によってネガティブなイメージの改善にはある一定程度成果が見られたと思いますが、魅力ややりがいなどのポジティブな側面となると弱かったのかなと。介護人材不足の問題の根底にあるのは、専門職集団としての介護職の社会的価値が共有されていないことです。我々ワーキングチームも解決の方向性を探るべく、活動のシンボルとしてロゴデザインを作成しました。このロゴを活用して介護の本質的な部分をしっかりとお伝えしながら、市民性の涵養と介護人材の働きがいの醸成を一体的に進めていきたいと考えています。



このロゴには「添う、沿う、そう」の3つの「SOU」が込められています。モチーフは福岡市のさまざまなチャレンジを総称する「福岡NEXT」の「N」で、10本のラインで「寄り添う手」を、主軸となる両端の青と紫のラインで「沿い歩く距離感」を表現しています。そして介護に重要なのは、手のぬくもりから来る安心感と、人生100年時代をともに歩く距離感だということを、このロゴを通して「そうなんだ!」と気づいていただければと思っています。さらに若い世代が介護職の本質を引き継いでいってほしいという願いを込めて、未来への架け橋をイメージしたレインボーカラーと、DNAの造形も取り入れました。この3つの「SOU」を個人にも社会にも浸透させていけるような事業の提案をお待ちしています。


片田江:「介護の本質」という概念は個人によっても変わってくるかと思いますが、みなさんが考える本質とは何でしょうか?


黒木:優しい人や思いやりを持った人が介護職に就くとイメージされがちですが、重要なのは尊厳を大切にできるかどうかです。専門職だからと言って、その人が歩んできた人生をないがしろにしてはいけない。むしろそれが専門性の根幹にある。つまり、人生後半期に介護が必要になり、これまでの人生で色々なものを培ってきた人がどういった終焉を迎えるのかに向き合っていく専門性です。ここに介護の本質があると私は考えます。


福留:一言で言うと自立支援かなと。お世話をするということではなく、その人の残存能力をなるべく活かして補っていく。とはいえ人材不足で忙しく、思い描いた自立支援ができずにジレンマを抱えている方もいらっしゃると思いますので、事務作業はICTを活用して効率化するなど、介護職員さんが本質的な業務に集中できる環境づくりを福岡市でサポートしていきたいと思っています。



横尾:私の回答は本質とは少しずれるかもしれませんが…。介護には正解がないと思うんです。やり方も受け取り方も人それぞれなので。自分が取り組んでいる介護に迷った時には、法人の理念に照らし合わせて行動することが大切だと思います。自分がよかれと思ってやったことでも、上司や先輩に叱られるかもしれない。そんな時には、所属している法人の理念に沿って介護をしたと自信を持って言えるかが1つの基準になります。自分の中で理念をしっかり咀嚼して、体現することを心がけるといいかなと思います。



SNSの一歩先を行く応援コンテンツを


片田江:先程福留さんがおっしゃられた「介護職員を応援する仕組み」とは、具体的にどのようなものを想定されていますか?


福留:まず1つは、例えばInstagramやFacebookでも「いいね」を押せば応援していることにはなりますが、もう一歩踏み込んだコミュニケーションを想定しています。いいねの数で勝負するのではなく、介護職員さんが応援コメントやリアルなリアクションをたくさん受け取れるようなコンテンツです。横尾さんと黒木さんもおっしゃられていましたが、介護の技術って本当にすごいんですよ。その魅力をしっかりと発信できれば、介護職という職業だけでなく、職員さん個人のファン獲得にもつながると思っています。もう1つはワーキングチームで作成したロゴのような切り口です。このロゴがパッと目に入るだけで、応援していることが伝わりますよね。先端技術だけでなく、新たなアイデアを活かしたコンテンツがあっても面白いと思います。



横尾:施設側が地域に対してもっと開放的になることも必要だと思います。中で働いているのが誰なのかを知ってもらうだけでも大きな意味がある。これまで高齢者施設は山の中にあることが多かったので、誰が働いてどんな仕事をしているのか、クエスチョンが多くて入りづらい場所だったと思うんですね。今では都心にも増えましたが、それでも閉塞的なイメージを払拭しきれていない。もっと職員さんの顔を知ってもらい、街中で見かけた時には気軽に声をかけていただけるような関係性ができれば、それも応援方法の1つになると思います。


黒木:2040年にInstagramが残っているのかなど、これから先の社会の変化も視野に入れて考える必要があります。今働いている人の継続的なやりがいについてももちろん訴えていきたいですが、一方で20年後に介護職を目指す人にもしっかり届くような仕組みを作ることが重要だと思います。


横尾:実際、中高生が福祉関係に進みたいと先生に相談したら、やめたほうがいいとアドバイスされることも少なくないと聞きます。3Kなどの一般的なイメージだけでなく、教員研修で福祉施設に派遣された際に悪い印象を受けたことが要因になっているようです。施設側の対応はもちろん、学校での授業などを通して、先生や子どもたちにも介護職の魅力を伝えていく必要がありますね。


福留:福岡市の介護職の離職率は、2018年度が約20%、2021年度が約15%です。全国平均の14%よりも少し高く、流動性のある状況なんですね。介護業界のウェルビーイング向上のためには、人を集める仕組みとともに、人がやめない環境も整えていかないといけません。


片田江:やりがいと働きやすさの両方を感じられることが重要なんですね。実際に現場にいらっしゃる横尾さんは、どんな時にやりがいを感じますか?


横尾:高齢者施設は生活の場なので、食事介助、入浴介助、排泄介助の三大介護だけではなく、入居者の人生に寄り添ったさまざまな取り組みを行っています。例えば、お孫さんの結婚式の招待状が届いたけど行けないのではないかと不安に思われている方がいらっしゃれば、行けるようにリハビリをしたり、一緒にお洋服を買いに行ったり、当日の送迎はもちろん、式に参加させていただいたりもします。そこでご本人やご家族に「ありがとう」と言っていただけた時には、とてもやりがいを感じますね。決して感謝してもらうためではなく、ただその人のことを考えてやったことが言葉で返ってくると、この仕事をやっていてよかったと思います。



テーマ2:外出困難な重度障がい者等の就労や社会参加の実現





重度障がい者の就労の厳しさを知ってほしい


片田江:それでは2つ目のテーマ「外出困難な重度障がい者等の就労や社会参加の実現」に移りたいと思います。課題の背景や募集の意図を教えてください。


福岡市 障がい者部 西依(以下 西依):現在、福岡市では人口の5.3%にあたる8万6,000人以上の方が障がい者手帳をお持ちです。そのうち身体障がい者が6割、精神・知的障がい者が4割で、身体障がい者の中でも外出が難しい肢体不自由1級の方は約5,000人、それ以外にもパーキンソン病やALSなどの難病で外出困難な方が約2,500人いらっしゃいます。障がい者の就労には、一般企業などで働く一般就労と、一般就労が難しいため福祉サービスを受けながら働く福祉的就労がありますが、肢体不自由者、特に上肢や体幹機能に重い障がいのある方は、どちらも難しい場合が多いというのが現状です。



こうした外出困難者に向けて、企業の協力のもと、福岡市ではICTを活用した就労の取り組みを進めています。今年度は分身ロボット「OriHime」を使った実証事業に取り組んでいて、障がい者施設の商品を販売するアンテナショップと高齢者施設にロボットを置き、脳性麻痺などで寝たきりの方などが遠隔操作をして会話しながら接客やレクリエーションの補助を行っています。ショップでは集客と販売促進に効果が見られ、高齢者施設では高齢者を楽しませるとともに、職員さんの負担軽減にも役立っています。何よりロボットを操作している障がい者の方々にやりがいを感じていただけることがとても嬉しいですね。



ちなみに昨年度は博多区役所に設置して、博多織などの展示品の説明とフロア案内をするという実証事業を行ったのですが、なかなか想定通りにはいきませんでした。と言うのも、区役所の利用者は住民票の手続きなどの目的があって来られる場合が多いので、用事を済ませてサッと帰られてしまうんですね。ロボットの姿が珍しくて立ち止まる方はいらっしゃっても、伝統工芸品の説明を聞きたいという方はあまりいらっしゃいませんでした。その反省を踏まえて、今年度、アンテナショップでは新商品のあるレジ横に設置してついで買いを促すなど、効果的な場所と使い方を試行錯誤しながら進めています。こうした取り組みをもっと増やすことで、就労が困難な方々の可能性を広げていきたいと考えています。


福岡市 教育委員会 松本(以下 松本):今、私は発達教育センターの所長をしておりますけれども、もともとは先生です。教育の現場も人手不足でかなり厳しい状況にありますので、外でお話をさせていただく際には必ず「先生ほど楽しい仕事はないよ!」とお伝えするようにしています。今日はそれだけ持って帰っていただければ(笑)。それは冗談ですけれども、長年現場におりましたので、重度の障がいのある子どもたちがどんな状況にあるのかを知っていただきたいと思います。



まず福岡市の教育・支援環境についてですが、福祉的就労を目指すお子さんのために、今年新しく「清水高等学園」という学校を作りました。今一期生が通っています。その他、企業への就職を目指す「博多高等学園」をはじめ、知的障がい特別支援学校が5校、病弱・知的障がい特別支援学校が1校、肢体不自由特別支援学校が2校ありまして、市内に9校も特別支援学校があるのは全国でもトップクラスです。それだけ福岡市が特別支援に力を入れているということです。



では卒業後の進路がどうなっているかと言うと、知的障がいのある子だと一般就労が20%、福祉的就労のA型も入れると30%をちょっと超えるくらいで、全国平均よりは上をいっています。一方で重度の肢体不自由者の状況は、過去9年間で卒業後すぐに就職できた生徒は2人のみ。知的な遅れがなかったとしても、肢体不自由ということだけで、これだけ就労が難しくなるんですね。今回の公募も含め、企業のみなさんにはぜひお力添えをいただきたい。私が所長を務める発達教育センターは特別支援学校の主幹であり、小学校入学から高校を卒業して就職するまで、一貫して支援を行っています。2014年には特別支援学校の高等部に通う子どもたちの就労促進のために「夢ふくおかネットワーク」を立ち上げまして、企業向けの研修や受け入れの要請に力を入れています。現在の登録企業数は611社ですが、もっと多くの方々にこのネットワークを活用していただきたいと思っています。



アイデアと技術が障がい者の可能性を広げる


松本:肢体不自由者にはまず通勤という壁があります。それから働いている途中のトイレなどの介助も。手伝ってくださる方が毎日必要となると本人も負担だし、企業側も1人にべったりつくことになるので、なかなか雇用できないという状況が生まれている。通学も同じく大きな壁で、結局大学を辞めてしまった子もいます。この問題は社会にも責任があります。車椅子で電車に乗る場合は駅員さんが運びますし、バスは一旦止まって運転士がスロープを出して乗車します。乗車後も車椅子はスペースをとります。こうした状況をよく思わない人たちがいるんですね。視線が冷たかったり、中にはひどいことを言う人もいる。まずはこういう社会を変えていかなければいけません。



片田江:「OriHime」を例に挙げると、区役所やアンテナショップなどの身近なところで実証事業が行われています。普段の生活の中で肢体不自由者と触れ合う機会が増えていけば、地域の方々の意識も少しずつ変わっていくのではないでしょうか。


松本:そうですね。私はよく、障がいのある子どもたちに「なんで働きたいと?」って聞くんですけど、お金のためじゃないんです。あの子たちは自分のために好きなものを買うという経験をほとんどしてきていないので、何よりも「あんたがおって助かる〜!」と声をかけてもらいたいんですね。人の役に立っているという気持ちを私たちが育ててあげることが大切なんです。みなさんももし障がい者と触れ合う機会があれば、そういう声かけをしていただきたいと思います。


片田江:重度障がい者の就労支援については第1回「福岡100ラボmeet up!」でも議論させていただきました。私が特に感銘を受けたのが2点で、1つは「戦力としての障がい者雇用」という考え方です。社会貢献のための雇用や、障がいがあるからという先入観で軽作業をお願いするのではなく、それぞれの能力に着目するべきだと。もう1つは「OriHime」のように障がい者にとって便利なものは健常者にも役立つプロダクトになり得るというお話。まさしく今回のテーマにもつながってくる点だと思いますが、西依さんはどのような事業を想定されていますか?


西依:イメージとしては、ドローンで農薬を散布したり、ロボットを使って巡回警備をするといったものですね。実際に今、視線で操作するドローンやアバター技術を活用した取り組みなども進めているところですが、そういったものだけでなく、アイデアも含めてどんどんご応募いただきたいと思っています。先端技術と言うとハードルが高いように思われるかもしれませんが、例えば「OriHime」もロボットが自動で動くわけではなく、遠隔で操作するだけなので、そこまで難しく考える必要はないんですね。ちょっとしたアイデアや技術が障がい者の可能性を広げる手助けになりますので、みなさん自信を持ってご提案いただければと思います。


片田江:今回の公募では、障がい者向けに使ったことがない技術でも実証事業に協力していただけるのでしょうか?


西依:もちろんです。参加者や場所の調整などもこちらで行いますので、こういう技術で、こういう場所で、こういう風に使うと実現するというパッケージでご提案いただけるとありがたいです。福岡市としては最大限頑張ります!頑張りますって言われてもみなさん信じられないかもしれませんが(笑)、今では当たり前になっているQRコード決済も、同じスキームで公募して、企業と福岡市との連携によって広がっていったものなんですよ。ですので、根拠はしっかりとあります。


片田江:それは大変心強いですね。どんな提案をいただけるのか私も楽しみです。本日はありがとうございました。




登壇者プロフィール



黒木 邦弘 / 熊本学園大学 社会福祉学部 教授
専門はソーシャルワーク実践論。九州厚生局地域共生社会ワーキンググループ委員、熊本県社会福祉審議会高齢者福祉専門分科会保健福祉推進部会、熊本市中央区地域包括ケアシステム推進会議会長を務める。2019年より福岡市福祉人財共働ワーキング委員。



横尾 和暁 / 社会福祉法人 敬愛園 法人本部
(福)恵徳会の養護老人ホーム及び特別養護老人ホームにて介護職・生活相談員として勤務後、法人本部職員に。現在、(福)敬愛園法人本部事務職。福岡市老人福祉施設協議会次世代委員会、介護福祉士・社会福祉主事・安全衛生管理者・施設長認定・社会福祉施設長資格認定講習課程修了。2020年より福岡市福祉人財共働ワーキング委員。



福留 裕一 / 福岡市 福祉局 高齢社会部 高齢社会政策課長
市民同士の対話の場づくりや各種政策立案関係業務、障がい者福祉窓口に従事。2021年度から現在の業務に携わり、福祉人材の確保や老人いこいの家の管理などに取り組んでいる。



西依 正博 / 福岡市 福祉局 障がい者部 障がい企画課⻑
2020年4月より現職で、市舞鶴庁舎(障がい者就労支援センター等複合施設)の整備や障がい者工賃向上支援センターの開設などに携わる。現在はICTを活用して外出困難な重度障がい者の就労実現に取り組んでいる。



松本 学 / 福岡市 教育委員会 発達教育センター所⻑
1992年、福岡市立小呂小学校に採用される。その後福岡中央養護学校、今津特別支援学校に教諭として勤め、発達教育センターの指導主事、今津特別支援学校と若久特別支援学校の教頭、発達教育センターの指導係長、生の松原特別支援学校の校長を経て現職。




テーマ型公募は12/26(火)まで受付中。募集要項はこちらをご覧ください。みなさまのご提案をお待ちしております。
「福岡100ラボmeetup!」では今後もさまざまな意見交換を行い、人生100年時代に向けた暮らしのアップデートを目指していきます。次回も近日開催予定!どうぞご期待ください。


■お問い合わせ先
https://f-100lab.jp/contact/

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